昔から七輪に使われていましたが、近年、建築用材として非常に注目されている珪藻土。
調湿・脱臭機能があり、有害化学物質の吸着にも有効であるため、検討の価値が高い素材です。
珪藻土を住宅に使うメリット
空気清浄作用を持つ自然素材として注目を浴びているのが、珪藻土(けいそうど)です。
「土」といっても、海や湖の植物性プランクトンからできた化石の堆積物。海底などにある軽石のような白っぽい石を砕いて粉状にし、内装材として使用しています。
壁に塗ったり、吹き付けたりした仕上がりは、土壁のような手ざわりと風合いで、温かみのある印象。独特のコテ仕上げはデザイン的にも魅力です。
調湿性や断熱性などすぐれた5つの特徴
珪藻土は、無数の微細な孔を持つ「多孔質」。
木炭も、多孔質としての優れた性質が話題になっていますが、珪藻土は木炭の5~6千倍もの孔を持ち、様々なすばらしい性能を発揮しています。
調湿・防露性
特徴のひとつが、湿気を調節する調湿効果。
室内の湿気が多い時は、微細孔に湿気を吸い取り、部屋が乾燥すれば湿気を放出。湿度を快適なレベルに保ち、結露も防止します。
脱臭・吸煙性
細かい孔の中に、臭いの成分を取り込んで封じ込めます。
臭いと共に、煙やホルムアルデヒドなど有害な成分も吸着し、脱臭・空気清浄の機能を果たします。
断熱・保温性
多数の微細孔がある構造は表面積が大きいため、熱伝導率も低く、断熱性と保温性を発揮します。
そのため、外気温に影響されにくい室内環境が得られます。
不燃性
無機質な珪藻土は、不燃で有毒ガスを発生しません。
このため、古くから七輪の原料として使われてきました。
吸音性
多孔質なので、適度な吸音性があり、外部に対しては遮音性も発揮します。
また、水を吸っても透過させない防水機能も持っています。
成分組成にも着目を
各部屋には、できれば2カ所以上の窓を設けたいもの珪藻土はメーカーによって特徴が異なります。。
どのメーカーも、成分組成が珪藻土のみではないという点を覚えておきたいもの。
珪藻土だけでは、壁や天井に塗ることはできないため、付着をよくする樹脂や、つなぎの増粘剤も含まれています。
樹脂や増粘剤には揮発性有機化合物を含むものもある上、樹脂は珪藻土の最大の特徴である「孔」をふさいでしまうことも。
施工性やコスト、自然志向など各メーカーの方針で成分は異なりますから、健康な住宅をめざすなら材料も細かく選定しましょう。
多少コスト高
性能はすばらしい珪藻土ですが、ビニルクロスなどの一般的な材料に比べて少し高価なのが、デメリット。
また、保水性が高く、雨水を含むと乾くのに時間を要します。
最後に
デザイン面でも優れた珪藻土なので住宅に盛り込みたいと考えている方も少なくないでしょう。
ただ、コスト的には上がってくるためポイントで使うなど工夫も必要と言えます。