電力の自由化で電気代はどれくらい安くなったのか

電力と夕焼け

 

2016年の4月に電力の自由化となり、200を超える企業が新規参入しましたが、ご家庭の電力契約を変更した方はどれくらいいるでしょうか?

関東、関西の順に契約変更した世帯は多いようですが、その他の地方は鈍い出足となっているようです。

2016年7月時点では、新規契約をした世帯は全体の2%に留まり、世間の関心も日々薄れているように感じてしまします。

企業の新規参入により生活に有利な料金となることを期待した方は多かったと思われますが、なぜこのような事態になっているのでしょうか?

実際に電力の新規契約でどれくらいお得になるのかを含めて見ていきましょう。

旧電力料金は再契約しないと変わらない

まず初めに考えたいのは、自由化になる前に契約していた電力会社の電気料金も再契約をしないと新電力料金に切り替わらないという点です。

東京電力や関西電力、中部電力など住んでいる地方により異なりますが、再契約をしなければ旧電力料金のままです。

自由化に伴って既存の電力会社も新電力料金を打ち出しているので、平均すると年間で5000円程安くなるため、電力会社を変える気はないという方でも、既存の電力会社の新電力で再契約するようにしましょう。

電力会社の変更を考えている方でもそれまでの間だけでも多少の節約にはなるので、再契約することをお勧めします。ただし、解約の条件は必ず確認するようにしましょう。

電力料金以外の割引が比較しにくい

電力の自由化に伴って様々な業種の企業が新規参入しましたが、各社電力料金に加えて自社の本業での割引をプラスしているところが多いです。

携帯電話会社やガソリンなどの燃料系の会社、ガス会社などは、本業のサービスの割引を電力契約にプラスしているため実際にどれくらい自分の家庭でお得になるのか比較しにくくなっています。

比較サイトなどでそれぞれのサービスを確認することは出来ますが、それぞれの家庭で携帯電話やガソリン代、ガス代の使用料などは異なるため正確なシュミレーションをするのは難しいのかもしれません。

 

新規参入企業への不安

新規参入した企業と電力契約をする際、最も不安な点は電力の供給ではないでしょうか?!

実際に携帯電話会社やガス会社がどのように電力を供給するのか素人目からすると分に思える点は多いでしょう。

しかし、実際に電気を供給するのは既存の電力会社であることがほとんどで、電力の供給を不安視する必要はありません。

また、仮に契約した企業が倒産した場合でもすぐに電気の供給が止まることはないと経済産業省のHPで記されています。

契約した電力会社が倒産したら電気の供給は止まってしまいますか?

それによりただちに供給が停止することはありません。 新たな供給元が見つかるまでの間は、各地域の電力会社(東京電力、関西電力等)から供給を受けることになります。

引用元ー経済産業省 資源エネルギー庁

また、実際に新規参入企業へ切り替えた世帯ではトラブルも少なからず発生しています。

電力使用量の通知遅れや電力料金の誤請求などが挙げられ、電力契約切替のブレーキにもなっていると言われています。しかし、その辺りはどのようなことでも新規に始めればおこりうることですし、当然改善されている点なのでネガティブに考える必要はないでしょう。

実際に電気料金はどれくらい安くなるのか?

電力の自由化から4ヶ月が経ち注目点や問題点などを書いてきましたが、実際にどれくらい電気料金は下がるのでしょうか?

先程書いたように既存の電力会社であっても年間で約5000円あたりが新電力料金の目安です。月で考えると約400円となります。

一方の新規参入企業では、子どものいる世帯で年間に10000円以上電気代を抑えられるプランも出てきています。月で考えると約830円となります。

既存の電気料金よりも安くなるのは間違いありませんが、安くなる金額が魅力的だと感じるか、思ったよりも安くならないと感じるかは個人により大きな差が出る金額と言えます。

 

最後に

新電力料金について、電力の自由化からの流れを追って見てきましたが、どの企業と契約してもこれまでの電気料金よりも高くなることはありません。

しかし、余程の使用料でない限り現状、月に1000円以上電力が安くなるプランがないのも事実です。

消費者が思っていた以上にお得感がないことが電力切替の出足を鈍らせているようにも感じますが、既存の電力会社であっても新電力料金に切り替えるだけで毎月の支払いは安くなるので、解約の条件を必ず確認したうえで再契約するようにしましょう。

その上で今後新たなサービスやプランが出てくることは多いに考えられるので、現状魅力的なサービスやプランがないという方は、その時に新たに電力会社に切り替えるというのが現状では得策と言えるのではないでしょうか。

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