EDは、英語のelectrodeposition(電着)の略です。
金属製の被塗物を、水性の塗料浴に電極として浸し、浴槽を対極にして直流電圧をかけることで、被塗物の表面に電気的に塗膜を析出させる塗装方法です。
塗料の濃度は通常5〜15%、浴の温度は30℃前後に管理します。電圧は50〜500Vで、2〜5分ほど通電すると塗装が完了します。
自動車の車体の電着ラインは、脱脂、水洗、表面調整、化成処理、水洗、乾燥、電着塗装、水洗、焼付の順で構成されるのが一般的です。
この方法の特徴は、複雑な形でも塗り残しが出にくいことです。塗膜が析出した部分は電気抵抗が高くなって電流が流れにくくなるため、塗膜の薄い部分へ析出が広がり、一定の膜厚で全体が塗装されます。
このため、つきまわり性がよく、塗り残しや塗膜のたれがなく、塗料の損失が少ないとされています。
電着塗装には、カチオン型とアニオン型があります。塗料粒子の電荷がプラスのものがカチオン電着、マイナスのものがアニオン電着です。
カチオン型は被塗物を陰極、対極を陽極として通電し、その後の焼付けで防食性のある塗膜になります。
アニオン型では、被塗物を陽極にします。アニオン型は塗膜が酸性のため、鉄の防錆用途には使えないとされています。
自動車の車体にはカチオン型が主に使われています。用途は、自動車部品や車体の下塗り、家電製品、電子部品、アルミサッシなどの建材、マンホールなどの鋳物です。
金属製で電気を通す被塗物であれば、対象になります。自動車ボディでは、下塗りのカチオン電着塗装が黒色のため、その後に白系の中塗りが必要です。

