賃貸というと家賃だけに目がいってしまいがちですが、初期費用は家賃の数倍かかるケースも多く物件選びの重要なポイントの一つです。
手持ちのお金が少ない方などは特に注意が必要ですが、基本的な初期費用に必要な金額と支払い方法について見ていきましょう。
賃貸物件の初期費用に必要なお金
- 敷金
- 礼金
- 前家賃
- 仲介手数料
- 鍵交換費用
- 火災保険費用
敷金
敷金は、退去時の修繕費や家賃滞納時の保証金として一時的に預けるお金のことで、使わなければ退去時に戻ってきます。
注意したいのは修繕費で、クロスや床など退去時にどれくらいの修繕が必要かは物件によって大きく異なります。
例えば、タバコを吸うことによってクロスが黄ばんでしまった場合は故意の過失になるのか?
などグレーゾーンも多いため入居時からそのあたりのことも確認しておきたいところです。
礼金
礼金とは字のとおり大家さんに支払われるお礼金です。退去時にも戻ってくることはありません。
昨今では敷金・礼金0という物件も多いですが、それでもまだ敷金はもちろんのこと礼金アリの物件は50%程あります。
金額的には下落傾向にあり、双方とも1ヶ月分という物件が半数以上を占めています。
敷金や礼金は法律で定められたものではないので交渉も可能と言われていますが、住む前から悪い印象をあたえないように程々にしましょう。
仲介手数料
賃貸物件を借りる際に不動産業者を介して契約した場合は、不動産業者に手数料として仲介手数料を支払います。
基本的には家賃の1ヶ月分が目安となりますが、不動産業者によっては先程の敷金・礼金とまぜて掲示されるケースもあるようで、単一の価格だけに目がいかないように注意したいところです。
前家賃
家賃の支払いは後払いという印象もありますが、入居時には契約した月の日数分の家賃と翌月分の家賃を支払うのが一般的です。
他の初期費用と合わせると大きな金額になる理由の一つとも言えます。
鍵交換費用
借主が変わる際に物件の鍵を交換することになりますが、それにともないかかるお金です。
新たに入居する方が払わなくてはいけないのか?という疑問もありますが、このあたりもグレーゾーンとなっていて誰が払わなければいけないという決まりはありません。
物件によりあったりなかったりしますが、掲示された場合は支払う必要があります。金額としては1万5千円前後が一般的です。
火災保険
賃貸物件においても火災を起こしてしまった場合は、部屋を原状回復する必要があります。
そのために火災保険に加入するのですが、保険プランや保険料は様々です。
年間で5千円~1万円あたりが相場と言えますが、補償される金額は必ずチェックするようにしましょう。
賃貸物件の火災保険で補償される項目は、家財補償・借家人賠償責任補償・個人賠償責任補償が一般的です。
初期費用シュミレーション
現状の一般的な相場で家賃により初期費用がどれくらいになるのかシュミレーションしてみましょう。
前家賃は入居日によって異なるため1.5か月分で計算しています。
家賃 | 7万円 | 9万円 | 12万円 |
敷金 | 7万円 | 9万円 | 12万円 |
礼金 | 7万円 | 9万円 | 12万円 |
仲介手数料 | 7万円 | 9万円 | 12万円 |
前家賃(1.5ヶ月) | 10.5万円 | 13.5万円 | 18万円 |
火災保険 | 1万円 | 1万円 | 1万円 |
鍵交換費用 | 1.5万円 | 1.5万円 | 1.5万円 |
合計 | 41万円 | 52万円 | 68.5万円 |
平均すると家賃に対して初期費用は5~6倍ほどかかることが分かります。
全ての物件が当てはまるわけではありませんが、数字を頭に入れて物件選びをするようにしましょう。
賃貸の初期費用の支払い方法
賃貸の初期費用は上記のように家賃の数倍にもなることから一括で支払うのが困難な入居者の方もいるでしょう。
そういった背景を受けて、不動産業者では初期費用を分割支払いで対応してくれるところやクレジットカードでの支払いも可能な業者も増えてきています。
支払い方法に関しては、入居前に確認し記載されていない場合などは問い合わせ・交渉するようにしましょう。
敷金や前家賃など項目により分割の可否が分かれる不動産業者もありますので、まとまったお金がないという方は物件選びの際には初期費用の支払い方法に関しても必ず確認するようにしましょう。
最後に
賃貸物件の初期費用について見てきましたが、想像していたよりも多かったという方もみえるかもしれません。
賃貸物件への転居を考えている方は、上記のことなども踏まえて準備するようにしましょう。