ここ最近、電力会社やガス会社のテレビCMや広告を多く見かけるようになりました。
「オール電化」に「ガスの時代」。なぜ、電気とガスを選ぶ時代になったのでしょうか。
2016年に電力が自由化となり、2017年にはガスも自由化となります。本当にオトクなのは果たしてどっち?
エコキュートの仕組み
まずエコキュート。空気でお湯を沸かすといわれても、雪が降るような日の空気でどうやってお湯を沸かすのかという疑問が生じます。
これは理論さえわかれば必要の無い心配だとわかります。
エコキュートのなかにはマイナス10度に冷やされた二酸化炭素があります。
それが外気によって暖められ、さらに圧縮機で圧縮します。
気体は圧縮するとさらに熱が上がります。
そして二酸化炭素が120度になったところで、水道水と熱交換をします。
すると二酸化炭素の熱が水道水に移り、水は90度のお湯になります。
そして水に熱を渡して冷えた二酸化炭素はさらに減圧されて膨張し、マイナス10度に戻るのです。
この繰り返しによって水をお湯に替えるのです。
電気はどこで使われるのかというと、その圧縮・膨張の部分です。
ですから外気温が高ければ高いほど、圧縮するパワーが減りますので、暑い日ほど電気代がかからないということになります。
寒い場合は、電気で圧縮するパワーが必要になるだけでお湯を沸かすことはもちろん可能ということです。
現在エコキュートは30を越えるメーカーから様々な機種が発売され、昨年までに累計で約50万台が出荷されています。
技術開発も進んでおり、最近では外気から得るエネルギーの割合の高い機種が登場し、さらに電気代が節約できるモデルも登場しています。
エコキュートでお湯はすぐに沸かすことができるの?
エコキュートの理屈はわかりましたが、まだ不安が拭えない部分があります。
それは、すぐにお湯が使えるかということです。
これまで瞬間湯沸かし器を使ってきた家庭の場合、やはりお湯はボタンを押した瞬間に出て欲しいもの。
エコキュートの実力を見てみましょう。
確かに、エコキュートは瞬間湯沸かし器に比べると能力は10分の1です。
理論上は10倍の時間がかかることになります。
しかし、エコキュートには貯湯ユニット部があり数百リットルのお湯が常に貯められています。
連続して浴槽のお湯を何度も入れ替えない限り、お湯が切れる心配はありません。が、入れ替えればお湯は切れますし、お湯を貯めておくスペースが必要です。
そして心配なのは価格。
いくらガス代を全てカットできるとはいえ、導入時に大きなお金がかかってはあまり意味がありません。
エコキュートの機器は高くて80万円台です。
瞬間湯沸かし器に比べると40万ほど高くなりますが、これはオール電化を導入した場合、一般的な家庭では約5年で回収できる計算になります。
それ以降はずっと年間8万円ほどおトクになるという計算です。
IHクッキングヒーターってどうなの?
オール電化にするにあたっての一番の不安といえば、やはりIHクッキングヒーターの火力です。
確かに実際に調理をして比べると、クッキングヒーターはガスの火力に及ばない気がしてしまいます。
こればかりはどう頑張ってもガスにはかないません。
また、IHでは土鍋が使えませんので、鍋をするためにはIH専用の土鍋を買う必要があります。
もちろん、かつおのタタキなど火であぶる料理は一切できません。
さらに、フライパンをあらかじめ暖めて炒めるチャーハンや中華料理などは、ガスと同じように調理することはできません。