快適な生活環境を保ちながら室内の有害化学物質を完全に排除することは、ほぼ不可能といわれます。
しかし、工夫次第ではその濃度を最低限に抑えることも可能。健康に暮らすには、湿気やダニ対策にも気を配りましょう。
新築・リフォーム後は十分に風通しを
住居完成後、2~3週間ほど風を通してから入居するのが理想的。
もし、完成して家に入った際に、鼻にツンとくる臭いがしたり目がチカチカしたりした場合は十分に通気を。
最も効果的なのは、窓を開けての換気
エアコンを使っている時でも、1時間に一回を目安に5分程度の窓開け換気を行いましょう。
特に、春から夏にかけて気温の上がる時期は、揮発性化学物質の濃度も上がりやすいのでいつも以上に換気に気を配りましょう。
また、夏は窓から入る直射日光をできるだけ遮り、外出時には雨戸やカーテンを閉め、室内温度の上昇を防ぎます。
これから新築する場合は、庇(ひさし)や軒をできるだけ確保し、自然に温度管理ができる環境が望ましいです。
空気の流れをつくる
各部屋には、できれば2カ所以上の窓を設けたいもの。
対角線上に配すると風が通りやすく、さらに高低差を付ければ、低い方から冷たい空気が入り、高い方から温かい空気が出ていく流れができます。
ドアの下に少し隙間を開けておいたり、ガラリにして空気を通すなどの工夫もあります。
ドアを閉めたまま通風できる玄関ドアや勝手口ドアもあるので、防犯性を保ちながら家の中に風の道をつくりましょう。
結露にも注意
高気密の家では、結露でカビが発生しやすい状況になっています。
カビが生えれば、それを栄養源としてダニも発生し、ホコリなどのハウスダストの中で繁殖。
呼吸器系疾患やシックハウス症候群を引き起こしやすくなるので、住まいの除湿を心がけましょう。
また、熱を伝えにくいペアガラスや、枠の冷えを緩和する木製サッシ、プラスチックの樹脂サッシなど結露しにくい建材を用いるのもよいでしょう。
最後に
シックハウス対策として最も有効なのはやはり換気と言えます。
昨今では24時間換気機能や、換気口を多く設けるなど家造りの段階で換気に力を入れているところも少なくありません。
それでも窓を開けた換気が最も有効なことに変わりはないため、風通しの良い家造りを心がけるとともに生活の中でも換気を意識して窓の開閉をおこないましょう。