家族の健康や子供の感性の育成を考えると、環境によく、温かみのある無垢材は見逃せません。
天然の木ならではの魅力と問題点があるので、まずはその特徴を知りましょう。
無垢材を住宅に使用するメリット
化学物質を含まない自然素材として関心が高まっている無垢材。
集成材のように加工されるのではなく、育成した木そのものを使います。
魅力は、木が持つ本来の質感、風合いにあふれていること。
保温性があり、素足で天然の木の温かさを感じることができ、長く使い込むほどに味わいが増してきます。
また、室内の湿気が多ければ吸収し、乾燥すれば湿気を放出して、部屋の湿度を調節してくれる機能も持っています。
自然素材であるため、シックハウス症候群の心配もありませんので安心して使えます。
木であることのデメリットも
問題点は、調湿作用と関連して、湿度の変化によって「縮む」「膨張する」という性質があること。
湿度が高いと膨張して床がそりあがり、湿度が低いと収縮して継ぎ目などに隙間が開いたりする場合があります。それが無垢材です。
国産の無垢材はもともと湿気に強く、樹脂を多く含んでおり、水や雑菌を跳ね返す性質を持っていますが、施工の際には十分に乾燥させた木材を使用するようにしましょう。
また松材などは、ヤニが出ます。それが自然素材ですのでそれを解って使用しないと後々トラブルになります。
含水率をチェック
無垢材の問題点はそり、ねじれ、割れなどですが、これらは乾燥が不十分だと生じてきます。
最大限に無垢材を活用するには、乾燥させることがとても重要になってくるのです。
木の乾燥の度合いは「含水率」を確認。
含水率とは、木材に含まれている水分の重量の比率を指し、「完全に乾燥して水分を含まない木材を100とし、それに水分が10加わった状態が10%」になります。
木材の変形は含水率30%から始まり、18%以下でなくなるといわれます。
基準は18~20%ですが、15~18%まで乾燥させる方が安心。
床暖房なら、さらに7~9%の無垢材を選びたいものです。
しかし、含水率を下げても収縮や変形はなくなりません。
含水率が20%でも、芯の部分はまだ30%もあるからです。
芯を20%にするためには、含水率を15%程度まで引き下げる必要があります。
また、住んでいる間に湿気や温度、直射日光にあたることにより、そり、ねじれは発生します。
無垢材のフローリングの種類
フローリングに使う無垢材は多種ありますが、調湿機能に優れるもののひとつに杉があります。
流通量が多く、比較的安価といえ、加工がしやすいので床材や壁材などの内装材に広く使われます。
北欧産の松であるパインも、見た目の美しさと強さに定評があります。
狂いや割れもなく、引っ張る力に関してはコンクリートよりも強度があります。
寒冷の地でゆっくりと育つため、年輪が密に詰まり、粘り強い良材として重宝されています。
ほかにも、松、カラ松、ブナ、マカンバ、タモなど多彩です。
また、床暖房には、東南アジアや中国産のチーク、カリン、ナラ、カバザクラ、カナダのメープル、国産の檜、ヒバ、ケヤキなどが適しています。
狂いを軽減するために含水率を下げ、塗装を強化するなど温度・湿度の影響を受けにくい加工がされた床暖房対応を使いましょう。
最後に
昨今では木の家というワードもよく聞くようになりました。
無垢の床材は裸足で歩いた時に気持がよく、住宅に利用したいという声が多いのは頷けます。
デメリットもありますが一度考えてみるだけの価値はあるのではないでしょうか?