アスベスト

アスベスト

 

アスベストの概要

蛇紋石や角閃石が繊維状に変形した天然の鉱物繊維のこと。

1本の繊維の太さは髪の毛の5000分の1程度。

代表的なところで白石綿(クリソタイル)が挙げられる。

アスベスト繊維は非常に細い繊維なので、吸い込むと気管から気管支、さらに肺の一番奥の肺胞にまで入り込み、がんをひき起こすおそれがある。

肺がんや悪性中皮腫・腹膜がんを引き起こす、発がん物質とされている。

※悪性中皮腫:肺のまわりをおおっている薄い胸膜(古くは肋膜)や腸のまわりの腹膜にできる癌

癌に至る前に、アスベスト肺と呼ばれるじん肺の一種となる。

アスベスト繊維を吸い込んでも、自覚症状はない。

潜伏期間が非常に長く、肺がんや悪性中皮腫で一八年から四〇年くらい、アスベスト肺で八年から二五年くらいの潜伏期間を経て、発病する症例が報告されている。

ほかの発がん物質との相乗作用がある。(例:たばこへの相乗作用での肺がん)

非常に細い繊維のため空気中に飛散すると落下しにくく、風に運ばれて遠方まで飛散するという報告がある。

肉眼では見えず、無臭。空気中に飛散したアスベスト繊維の測定は素人には困難。自然界ではほとんど分解しないため、環境中にどんどん蓄積する。

熱や薬品に強く・磨耗に耐え、「ピアノ線より強い」と言われるほど切れにくく、紡いで織ることもでき、防音性能も備える。しかも安い。

耐久性、耐熱性、耐薬品性、電気絶縁性などの特性に非常に優れ安価。通常の環境では変化しにくい。

綿のように柔らかな繊維ですが、鉱物の一種で、火にくべても燃えない。

アスベストの語源は、「消すことができない」あるいは「永遠不滅の」という意味のギリシャ語。

(”しない(ない)”という意味の「a」と、”消化できる”という意味の「sbestos」から来ている。)

 

日本で禁止されているアスベストの種類

  1. アモサイト(茶石綿)、クロシドライト(青石綿)と、これらを重量の1%を超えて含有する製品
  2. クリソタイル(白石綿)、アクチノライト、アンソフィライト、トレモライトを重量の1%を超えて含有する、石綿セメント円筒、押出成形セメント板、住宅屋根用化粧スレート、繊維強化セメント板、窯業系サイディング、クラッチフェーシング、クラッチライニング、 ブレーキパッド、ブレーキライニング、接着剤の10種類の製品

クリソタイル(白石綿:現在使用されているアスベスト)繊維の輸入、使用は禁止されていない。

10種類以外のクリソタイル等のアスベスト製品の輸入・製造等は禁止されていない。

アスベストを1%を超えて含有する製品の輸入・製造等の禁止で、それ以下の含有率の製品の輸入・製造等は認められている。(原則禁止ではなく、原則的には””使用を認めている””点に注意。)

その他アスベストに関連した用語

ゼロアスベスト

アスベストを一切使っていない製品をいう。いわば「無石綿」。

ノンアスベスト

石綿含有率1%までを言う。

しかし、これらの製品を調査したところ、無石綿と表記されているにもかかわらず、大量の石綿が成分として発見された例もあるので、あまり信用はできない。

かつては、無機質系の建材には ほとんど含まれていた。

ロックウール

石綿含有率1%までを言う。

綿同様に鉱物性不燃材料。かつては石綿を含み問題視されたが、現在はゼロアスベスト/ノンアスベストを謳う製品へと移行した。

ロックウール≠アスベストであり、鉱物の性質的にも別物である。

全体的な性能は アスベストには劣るが、多量な吸引さえしなければ人体への積極的な影響はない。

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