保育園or幼稚園から小学校へ入学し、中学校、高校、大学or短期大学と約20年の間に社会に出る様々な勉強をする子どもたち。
当然それには相応の費用がかかり、学費は家計において必ず必要な重要ポイントとなります。
長い目で見るとどれくらいのお金が学費だけで必要になるのか見ていきましょう。
公立、私立で大きな差が出る学費
全ての学校・園には公立と呼ばれる国や県、各市町村の運営するものと私立と呼ばれる民間の運営する2つの選択肢があります。
双方のメリットデメリットはこのページでは少し置いておいて、学費にだけスポットを当てたいと思います。
私立と公立では保育園以外は圧倒的に公立の方が学費が安いのが現状です。
保育園は世帯の収入により金額が決まるため、公立・私立で唯一学費が同額となります。
幼稚園・保育園の学費
幼稚園の3年間でかかる費用は、平均で公立70万円程、私立150万円ほどと言われていて、80万円程の開きがあります。
授業料自体の差額は60万円程ですが、給食費や園外活動費など全ての費用で私立幼稚園が高額となります。
ちなみに保育園の3歳~5歳の平均保育費は月に2万円~3万円(諸費用含まず)となっていて、2万円で計算しても公立の幼稚園が最も学費が安くなります。
小学校の学費
小学校の学費は幼稚園と比べて1月当たりの金額が上がり、私立と公立の差はさらに開きます。
公立小学校で必要な学費は6年間で200万円程で、私立小学校で必要な学費は6年間で平均850万円程となります。
4倍以上と驚くような金額ですが、私立小学校の学費は小・中・高で見ても最も高額となっていて、通う生徒が全体の1%という数字になっているのも頷けます。
公立小学校の学費を月額で割ると2万8千円程になります。
一方の私立小学校の月額の費用は約12万円となり、小学校入学時の親世代はほとんどが30代という点からも余程収入がある家庭でない限り生活自体が困難になる金額です。
中学校の学費
公立中学校で必要な学費は3年間で140万円程、月額にすると4万円程となり小学校と比べると月ベースで見ても1万円以上の出費がかさみます。
一方の私立中学校で必要な学費は3年間で平均400万円程となっていて月額にすると11万5千円前後となります。
小学校よりやや私立の平均額が下がりましたが、それでもまだ8万円近い差があります。
ただ、親世代も40代が多くなり、全体の7%の生徒が私立中学校へ通っています。
高校の学費
公立高校でかかる学費は3年間で150万円程、月額にすると4万円程となっていて中学校とほとんど変わりません。
ただ、部活動などで学費以外に使うお金は個人差はありますが増えてきます。
外出範囲も広がり、私生活でもお金を使う金額が増えるので、学費以外の部分にも注意が必要となるでしょう。
私立高校でかかる学費は3年間で平均350万円程となっていて、月額にすると9万5千円程です。
こちらも部活動などで遠方の有名校に通う生徒なども増え、全体の約25%の生徒が私立高校に通っています。
大学の学費
大学では公立(国立)と私立に通う割合が完全に逆転し、私立大学へ通う生徒が全体の約75%、短期大学では約95%となります。
公立の大学は偏差値が高いところがほとんどとなり入学するためには充分な勉強が必要となります。
公立大学の4年間でかかる学費は約250万円となっていて、月額にすると約5万円程となります。
私立大学の4年間でかかる学費は約450万円となっていて、月額にすると約9万円程となります。
これはあくまでも学費だけの金額で、遠方の場合交通費がプラスされ、下宿を伴う場合は4年間平均で約300万円かかると言われています。
大学に通っていた方は親のありがたみが分かる金額ですが、今度は自分が子どもの学費を出す番ですから、子どもが生まれて18年後までにしっかりとした貯蓄をしましょう。
また、私立短期大学の2年間でかかる学費は、平均250万円程となっていて、月額にすると5万円程となります。
生涯の学費をシュミレーション
ここまで幼稚園(保育園)から大学までにかかる学費をピックアップしてきましたが、実際に生涯で学費だけでどれくらいかかるのシュミレーションしたいと思います。
公立 | 私立 | |
保育園 | 約70~100万円 | 約70~100万円 |
幼稚園 | 約70万円 | 約80万円 |
小学校 | 約200万円 | 約850万円 |
中学校 | 約140万円 | 約400万円 |
高校 | 約150万円 | 約350万円 |
大学 | 約250万円 | 約450万円 |
全て公立に通った場合
70万+200万+140万+150万+250万=約810万円
大学だけ私立に通った場合
70万+200万+140万+150万+450万=約1010万円
幼稚園と大学を私立、それ以外は公立に通った場合
150万+200万+140万+150万+450万=約1090万円
幼稚園と高校、大学を私立、それ以外は公立に通った場合
150万+200万+140万+350万+450万=約1290万円
上に挙げたパターンで通う生徒が多い傾向にありますが、一番安くても学費だけで800万円以上はかかり、平均すると1000万円程をイメージしとくのがライフプランを立てる上で計算しやすいでしょう。
これはあくまでも学費だけの金額で、交通費や生活費などが含まれていないことは頭に置いておいて下さい。
お子さんが2人以上みえる時は単純に倍の金額になることもお忘れなく。(保育園や幼稚園では2人目以降のお子さんの学費が安くなる・補助金が出るなどの制度があります。)
最後に
子どもの生涯にかかる学費を見てきましたが、親になって親のありがたみが分かるとはよく言ったものです。
当たり前のように通っていた学校にもこれほどのお金がかかっていました。
今度は自分のお子さんを不自由なく学校へ通わせてあげる番ですが、その場凌ぎでなんとかなる金額でないことがよく分かります。
事前の準備が何より大切で、将来お子さんが何人欲しくて、どの教育課程まで進学する予定なのか考え、必要な学費を算出してみてください。